魚油の効果・摂取量と副作用にはどんなものがある?
魚油とは
魚のえさやマーガリンの原材料に使われている
魚油とはその名前の通り魚から採られた油のことです。
一般的にはイワシやニシン、サンマなど大量に捕獲することができる魚を煮て採取されたものが使用されています。
いわし油、さんま油などの原材料ごとの名称で使われたり、売られたりしています。
ただこの魚油は臭いが強いなどの理由から日常の食事で使われる機会は限られています。
天然由来の油分を意識して使っている方も植物油を使っているのケースがほとんどでしょう。
魚油はもともとマーガリンなどの原材料に使われたり、魚のエサなどに広く使われています。
知らず知らずのうちに魚油を摂取していることはあっても、直接魚油を使って調理する機会は限られているのです。
美容や健康への働きから魚への関心アップ
そんな魚油が美容・健康で注目されるようになった背景には脂肪酸への関心の高まりが理由として挙げられます。
EPA、DHAといった脂肪酸が視力や脳機能の維持に重要な役割を担っていること、
さらに女性の美容・健康にも少なからぬ影響を及ぼすことが知られるようになったことで魚全体への関心が集まっています。
しかし昔に比べて現代の日本人は魚を食べる量が減っているといわれています。
日常の食事でDHA、EPAを十分に摂取するのが難しくなっています。
魚油を摂取する方法
魚油が多く含まれている魚を食べる |
・秋刀魚、鰯、鰊、鯖などなど |
サプリ |
・魚油だけでなくEPAやDHAを配合しているサプリメントも選択肢として加えられる |
肉が多く動物性脂肪分の摂取量が過剰になりがちな現代人の食生活。
魚を食べる量を増やすことは非常に重要なポイントといえるでしょう。
そしてもうひとつがサプリメントで摂取する方法です。
日常生活でなかなかカバーするのが難しい分を補う目的なら非常に有効な選択肢です。
血液をサラサラにし肌荒れなどの美容のトラブルの改善などへの効果も期待できる油分だけに賢く摂取して美容・健康に役立てていきたいところです。
魚油の効果とは
EPA・DHAで生活習慣病の予防と改善
魚、とくに青魚に含まれる油分には健康・美容両面に対するさまざまな効能が備わっているといわれています。
とくに注目されているのがDHA、EPAが含まれている点です。
どちらも不飽和脂肪酸の一種で生活習慣病の予防・改善効果から脳の働きの維持・活性化まで非常に幅広い範囲への効能が注目されています。
DHAの特長や働き
・青魚やマグロに多く含まれている成分
・血液をサラサラにし血栓を防ぐ効果がとくに注目
→心筋梗塞や動脈硬化といった病気のリスクを防ぐ
・悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす効能
・免疫力を強化し炎症を防ぐ働き
→様々な病気の予防からアレルギー症状の緩和までさまざまな疾患・トラブルの役立つ
とくに現代人はアレルギー症状のリスクが増大している傾向が見られ、魚の摂取量が少なくなった食生活との関連が指摘されることもあります。
EPAの特長と働き
・ストレスを軽減させ精神状態をコントロールする働きが備わっているとの研究もある
→うつ病やバラック障害といった精神状態の問題からアルツハイマー病の改善など、
現代人が抱える心や脳の問題にも関わる
DHAはEPAとほぼ共通した効能を備えており、とくにコレステロールと中性脂肪の低下に関して相乗効果を発揮します。
脳への働きはDHAの方が積極的
両者の最大の違いは脳への効果と考えられています。
EPAもアルツハイマー病の改善などの脳の健康への効能が指摘されていますが、
DHAのほうがより脳の働きに対して積極的な効果を発揮すると考えられています。
記憶力の増加・維持から脳梗塞、脳出血など深刻な病気の予防まで幅広い効果が期待できます。
脳の神経細胞の発育を活性化させる働きもあるので成長期の子どもにとっても非常に重要な成分です。
ほかには視力の維持・回復効果なども忘れてはならないでしょう。
老若男女問わず役立つ成分
このように記憶力や病気、感染症の予防に効果が期待できることもあって
子どもから高齢者まで世代・性別を超えて役立つのが魚油のメリットです。
魚が不足がちな食生活を送っている方はそれを補う手段としてよい選択肢となるでしょう。
魚油の基本的な効果はほぼこの2つの成分によってもたらされるものです。
ですからDHAとEPAが配合されているサプリメントと魚油が配合されたサプリメントのどちらを摂取するのか検討する余地も出てくるでしょう。
油分ですから過剰摂取には注意が必要ですが、ぜひ毎日の生活の中で賢く活用しながら健康・美容両面に役立てていきたいところです。
魚油の摂取量と副作用
サプリは手軽に摂れるので過剰摂取になる場合も
魚油は食生活よりも魚を直接食べたり、サプリメントで摂取する機会が多い油です。
その意味では植物油とはかなり異なる面を持っているわけですが、それだけに摂取量や副作用にも注意が必要です。
とくにサプリメントで摂取する場合には不用意にたくさん採りすぎてしまうと副作用の問題を抱えてしまうことになりかねません。
現代人は魚の摂取量が不足しているといわれており、魚油への関心の高まりはそれを補う手段としての面も持っています。
そのため不足している分を補おうと魚油サプリメントをたくさん摂取してしまうケースも見られます。
しかも動脈硬化の予防や血液をサラサラにする効果、さらに記憶力の向上、認知症の予防など現代人が抱えやすいトラブルへの効能が期待できることもあって
ついつい効果を早く実感したいあまりに摂りすぎてしまう面もあります。
EPAとDHAは合わせて1日2gまでが推奨
「魚は健康によいからたくさん食べよう」と「魚油をたくさん摂取する」は同じではないことを意識しておきましょう。
1日に魚を食べる量は限られていますが、サプリメントなら簡単に過剰摂取してしまう面があるからです。
摂取量に関してはEPAだけで1日3グラム程度、サプリメントで摂取する場合にはEPAとDHAを併せて2グラムを超えないことが推奨されています。
魚に含まれているたけでなくマーガリンなどの食材の原料にもなっているため、知らず知らずのうちに摂取していることもあります。
そのためサプリメントでたくさん採りすぎてしまうと結果的に一日の摂取量が過剰になってしまうのです。
過剰摂取で生じる問題
・油分そのものの過剰摂取がもたらす免疫力の低下
・EPAの血液サラサラ効果は摂取量が過剰になると血液が固まりにくくなる
・肝機能障害などの副作用も報告されている
魚油に多く含まれるオメガ3系の不飽和脂肪酸だけでなく、植物油に多く含まれるオメガ6系の不飽和脂肪酸を採りすぎてしまうことで、
善玉コレステロールまで減少してしまい過酸化脂質が増加するなどの問題が起こるのです。
ですから魚油の摂取量だけに注意するのではなく、植物油も含めた油分全体の摂取量にも注意が必要なのです。
必ず適量の範囲内で摂取を心がけましょう。
理想は魚を食べて栄養バランスが整った食生活を送ることです。魚油サプリメントはあくまでそれを補う手段として取り入れるべきでしょう。
サプリメントに頼らない、という鉄則が非常に大きな意味を持つ成分ともいえそうです。