DHAとEPAはどのような特徴や働きがあるの?-DHAとEPAとは-
近年注目を集める機会が増えている不飽和脂肪酸の中でもとくに健康に役立つといわれているオメガ3。この脂質に多く含まれているのがDHAとEPAです。青魚に含まれている成分としても名高く、また「頭がよくなる成分」などとも言われて受験対策などに摂取するケースも多く見られます。近年では老化や美容対策にも役立てられるようになっているようです。
悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす
このDHAとEPAが注目されるようになっている最大の理由といえるのが血液をサラサラにする働きです。
糖尿病や高血圧、動脈硬化といった生活習慣病のリスクが社会全体で指摘されているなか、食生活の乱れなどでドロドロな状態に陥ってしまった血液をサラサラにする働きが期待されているのです。
DHAとEPAには善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす働きや中性脂肪を減らす働きもあるので動脈硬化を予防するほか、食生活が乱れがちな現代人の健康管理に広く役立つのです。
血液がドロドロになると健康維持に必要な酸素や栄養が体内の細胞にまで行き届かなくなってしまうため、健康はもちろん、肌荒れや抜け毛といったトラブルの原因になることもあります。
認知機能や記憶力の維持も
それから脳の働きを活発化させる働き。
これが「頭がよくなる」といわれる理由です。脳内には140億もの神経細胞が存在し、情報伝達などの役割を担っていますが、DHAとEPAにはこれら脳の細胞を活性化する働きがあるとされています。
しかも細胞の老化を防ぐ働きがあるため、加齢とともに低下していく脳の働きをカバーするのにも役立ちます。
脳の細胞は35歳くらいまでがピークといわれており、その後1日10万個というペースで死滅・減少していきます。DHAとEPAはそんな細胞の老化を防ぎつつ、残った細胞を活性化することで認知機能や記憶力を維持することができるのです。
さらに脳の働きを活性化させるために脳内で生成されているNGF(神経成長因子)という物質を増やす働きも近年の研究によって明らかになりつつあります。
近年ではこの老化を防ぐ働きが美容方面で注目されるようになっています。
人間の肌は30歳前後から衰えがはじまり、30代後半には老化が加速していくようになります。スキンケアで老化対策を行うだけでなく、食生活で体の内面からケアしていく際にDHA、EPAが役立つのです。
なお、DHAとEPAは一緒に扱われることが多いですが、DHAは脳に対して、EPAは血液に対してより高い働きをするといわれています。
この点はまだ研究途上な部分があるので一概には言えませんが、意識しておくとよいかもしれません。子供の脳の成長を促すにはDHA、生活習慣病対策にはEPAがよい、という意見もあります。
《DHA・EPAの特徴のまとめ》
- 血液をサラサラにする働き
⇒糖尿病や高血圧、動脈硬化といった生活習慣病の予防
- 善玉コレステロールを増やし悪玉コレステロールを減らす働き
- 中性脂肪を減らす働き
⇒動脈硬化を予防
- 脳の細胞を活性化させる働き
⇒認知機能や記憶力を維持